消えた助成金

雇用関係助成金については、毎年度改正が行われる。場合によっては、年度内に何度も行われることもある。

そして、今年度も一つの助成金が消えた。

その名は、特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)。これは、いわゆる障害者雇用促進法の法定雇用率を達成していない企業が初めて障害者雇用率を達成した場合に支給されるものである。しかも、他の助成金との併給もできるというものである。

個人的には、かなりの活用があるのではないか、この制度を活用し少しでも障害者雇用が進めばと思ったものだ。

例えば、一つの活用例としては、次のようなイメージだ。

メンタルの疾患のある方をHW又は同意紹介事業者からの紹介で雇用する場合を考えよう。当初、有期雇用でトライアル雇用助成金を利用し、継続雇用をめざすとしよう。この場合、トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)で最大36万円、これにより初めて雇用率達成したことにより特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)120万円、その後の継続雇用により特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)最大240万円、そして正社員化により障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)60万円、併せて柔軟な雇用管理等を実施して、内容により11万から21万円、総計467万円から477万円となる。

もちろん助成金には、多くの支給要件があり、100%支給されるという保証はないが、制度としてこういうものがあると具体的にイメージできれば、利用する側には大きなインセンティブにはなる。

初めて障害者を雇用するにあたり被用者として様々な不安を抱えている中、支援機関の支援を受けながらかつ経済的支援もあるということが具体的にイメージできれば背中を一押しされた気持ちにもなろうというものだ。

ところが、この特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)が廃止された。その理由が、利用が少ないため!である。

ひょっとしたら、そんな助成金初めて聞いたという方がいるかもしれないし、障害者雇用を検討した際にそんな制度について説明を受けたこともないという方がいるかもしれない。

そう、知らなかった、知らされなかったために、である可能性が高いかもしれない。

いずれにしろ情報提供がなければ、活用のしようもないのである。

令和4年度まで数か月、今度はどんな助成金が消えゆくのであろうか?

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